いのちゆらがせる滞在プラン vol,01

季節と暮らしで

いのちゆらがせる

明宝・民宿しもだ

するすると気持ちほぐれる場所

 郡上八幡駅から車を走らせ、三十分。たどり着くまでに起伏の激しい道のりの集落もある中、比較的ゆるやかな道のりを行った先に、明宝の気良(けら)はある。気良は南北に流れる川を中心に東西に里が広がり、山と川に囲まれた集落でありながら、他よりも少しひらけた印象を受ける地域だ。
 そんな気良で築百五十年余りの趣のある宿の女将をしているのが、民宿しもだの下田葉子さん。柔らかな笑顔と明るい声に、建物の雰囲気も相まって、するすると気持ちがほぐされてしまう。葉子さんは、明宝生まれ明宝育ちの、生粋の明宝人。県外に進学後、愛知で就職したが、一生住むなら星がきれいに見えるところに住みたいと思い、明宝に帰ってきた。そこで、民宿しもだの跡取り息子と出会い、二十六歳で入籍。現在は、民宿しもだの看板女将として、接客から料理までをこなす。 もともと下田家は、農業と民宿の兼業だったこともあり、いまも葉子さんが中心となって、宿で出す食材は敷地内の畑でつくっている。明宝育ちだったこともあり、山での山菜とりや摘み菜は好きだったという葉子さん。

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いのちと共存する里の暮らし

女将となってからは、他の旅館の先輩女将から誘われるかたちで、さまざまな明宝の食材をつかった季節のレシピを教えてもらったそうだ。
 「いまはいつの時期でも同じような食材が揃うでしょう。本来はそこで採れたものを食べるのが利にかなっている。春の山菜には冬の間に溜まった老廃物を排出してくれる解毒作用があったり、夏野菜のきゅうりやトマトには体温を下げる効果があったり。どこでも、いつでもは違う」。
 どこでもいつでもはないが、それ以上に多様な食材と、その食材を活かすための知恵と工夫がある。二○一九年には、葉子さんのような明宝の女将が集まり、食材の収穫から調理までを聞き書きで集めた「めいほう 食の教科書」が誕生。次世代に受け継いでいく活動も行っている。

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 そんな葉子さんがつくる食事は、明宝の恵みがふんだんにつかわれている。「残されると寂しい」と話す葉子さんは、食事を出すそばでお客さんの様子を見ながら、食材についての話をするそうだ。どこの誰がどうやってとったのか、その背景を伝えることで、食が進むという実感があるという。
 また、ひとりひとりの食のペースに合わせ、翌日以降のメニューに反映するなど、心遣いも欠かさない。「山があり、川がある。そこから、鹿肉やアマゴをいただく。その命の尊さ、命の循環を感じてほしい。それが、いのちと共存する里の暮らしだから。ここで生活したいかも・・・ってなったら、よっしゃ!ってかんじ(笑)」。
 葉子さんがつくるプランには、葉子さんが絶大な信頼を寄せる山の達人か、川の達人とのアクティビティが含まれている。山の達人は、ハートフルな女性猟師として慕われる元満さん。川の達人は、郡上の河童と呼ばれ愛される由留木さんだ。特に由留木さんとは二十年来の付き合いで、「ゆるちゃんに任せると、命の循環が楽しくみえるんじゃないかと思って」と太鼓判を押す。
 「ここには、はっとするような、気分があがる瞬間がたくさんある。新雪の朝の雪景色、川沿いに落ちる日の光、原石の上を滑る水。きたひとにはゆっくりしてほしい。虫の音や鳥のさえずりなんかの音は、心に余裕がないと聞こえない。時間を忘れて、心身ともに元気になってくれたら」。

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Theme

食を通じて明宝の季節と暮らしを感じる

 衣食住といわれるように、食とは生きる基礎です。食材のあるべき姿を見たり、触れたり、採取することで、命の大切さ、地産地消の大切さと身体の浄化を体感できるプランです。食で心のバランスを整えていきましょう。

滞在イメージ

滞在プランごとに体験していただきたい「いのちのゆらぎ」を設定し、スケジュールに落とし込みました。
滞在される方の状況や季節、希望などにも左右されるので、あくまで一例となりますが、
具体的な過ごし方のイメージをお伝えします。

日程の図

プラン情報

滞在日数

5泊6日

金 額

74,250円

提供時期

3月〜11月

含まれるもの

波線

初日のカウンセリング、宿泊、食事(朝5・夕5)、お弁当づくり×1回、朝ヨガ×2回、山か川の達人との遊び×1回、民宿しもだのお手伝い(畑仕事、薪割り、神社の清掃など)、3日目の山行きインストラクター、明宝温泉

注意事項

波線

・季節によって提供するものが変わります
・月曜から金曜の5泊がゆっくりお話できておすすめです
・共有スペースは縁側と丸太テラスです
・徒歩圏内に飲食店や買い物できる場所はありません

波

重点をおく心得

「神経を覚醒させるあそびをする」こと。

「汗をかき、よく眠り、食べすぎない」こと。

「予想外と予定外こそ楽しむ」こと。

「スマホを置く」こと。

「水に触れる」こと。

「天気や、山や川にあわせて過ごす」こと。

「孤独になる」こと。

「土地のひとに話しかける」こと。

「心の声に耳を傾ける」こと。

「一度は川や山にどっぷり入り、土地の起伏感を身体に刻みこんで帰る」こと。

こり固まったら、またこいよ。

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プラン提案者

プラン提案者の写真

下田 葉子(しもだ・ようこ)

明宝小川生まれ、明宝育ち。実家から中学に通えないため、中学生から寮生活に。高校時代から自炊をはじめたが、ハードな部活で貧血になり、身体の基礎をつくる知識を得たいと、大学で栄養士になる勉強をする。その後、愛知で就職したが、一生住むなら星がきれいに見えるところに住みたいと思いなおし、Uターン。民宿の中核を担っている。

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下田 知幸(しもだ・ともゆき)

民宿しもだの次男坊。実家での暮らしのなか、里山の暮らしと自然の魅力を学び育つ。大学卒業を機にUターン。 年間約350人と長良川を下るラフティングガイドでもあり、ネパールでラフティングやカヤックの旅をするほどの川好き。川をご縁とした、人と自然の関係づくりに取り組んでいる。RAJ日本リバーガイド公認シニアガイド。

宿について

宿

民宿しもだ

Google Map

0575-87-2233

公式サイト

明宝気良の静かな山里の中にある宿。食事は季節に合わせ、春は山菜、夏は畑で採れた夏野菜、秋は根菜類、冬はシシ鍋など。広間には囲炉裏や薪ストーブもあり、火を見ながらゆったり時間を過ごすこともできる。2021年夏より、新しく敷地内に丸太テラスがオープン。川や山を眺めながら仕事をしたり、食事をするスペースとして楽しめる。

【設備】wi-Fi(平日日中/47Mbps程度)、コンセント、コピー機、延長コード、お茶・コーヒー、水舟、個室(会議等での会話も可能)、オープンスペース

【清流info】気良川まで徒歩2分

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