いのちゆらがせる滞在プラン vol,05
人との出逢いで
いのちゆらがせる
八幡・タテマチノイエ
一人でもみんなでも過ごせる、包容力のある街
郡上八幡は、長良川の支流、吉田川沿いに広がって築かれた城下町だ。郡上おどりをはじめとする様々な文化が発達し、吉田川にかかる高さ十二メートルの橋から地元の川ガキが飛び込む光景は、郡上の夏の風物詩となっている。そんな水と踊りの街にあるのが、食堂と下宿を兼ねるタテマチノイエだ。
この宿の女将は、青森県出身の木村聖子さん。東京、イギリス、沖縄を経て、二○一○年に郡上市に移住した。育った環境も価値観も違う人と一緒に暮らすことで、人生の選択肢が増え、視野が広がるという経験をし、この経験をもっとたくさんの人にしてほしいという思いで、二○一四年に郡上八幡ゲストハウスまちやどを開業した。二○一九年にはまちやど別館としてタテマチノイエをオープン。多忙な日々を送っている。
ここからはじまる、新たな人生の出会いと学び
タテマチノイエの食堂によくごはんを食べに来るという常連さんは「聖子さんは、頼れるお姉さん。みんなを巻き込むのがうまくて、ムーブメントをつくるのが上手。ここに来るといろんなひとに出会えるから通っています」と話す。「頼られるけど、自分でやんな!って言うから、自立を促す塾みたいなもの(笑)」、と聖子さんは笑いながら返す。
八幡は街中ということもあり、一人で過ごすことも、みんなでワイワイと過ごすこともできる。そんな中でも、タテマチノイエは特に、観光と生活が交差する、そんな場所だ。これまでも、聖子さんのもとには人生に迷った旅人が数多く訪れてきたという。「話を聞く中で、そのひとに合いそうだなと思う郡上の地域とひとを紹介してつなげると、そのあと、人から人へとまるでスゴロクのコマを進めるように出会いがどんどんつながって、すごくいい笑顔で最終日に帰ってくる姿を何度も目にして。
八幡は、郡上のなかでもスタート地点というような場所。ここからサイコロを振り出すように、郡上のさまざまなひとに出会ってほしい」。
二○二○年には、こうした経験をふまえ、郡上の人たちとの出会いと学び、そして新しい人生のスタートを振り出すきっかけになるような出会いあふれる旅の拠点となる場所を目指し、タテマチノイエを再スタートすることを決意。郡上全体をスゴロクに見立て、それぞれのエリア・分野で活躍している人につなぎ、体験してもらうツアー「郡上スゴロク」を提供してきた。
このツアーでは、初日、まずは身体の浄化として近隣の水辺で水に触れる。八幡の街中には水路が張り巡らされており、どこからでも水の音が絶え間なく聞こえるが、チェックインの時間帯や希望にあわせて、聖子さんおすすめの水場を教えてくれるという。そのあとは、体内浄化。主に、郡上産の季節の食材を使った聖子さんお手製の夕食で、胃袋を満たす。タテマチノイエは食堂をかねているため、宿泊客だけでなく、運がいいと地域のひとと食卓を囲むことができる。そして、心の浄化として、近くのお寺で夜の座禅を組み、就寝。二日目以降に、地域のひとと出会う。
今回は、ショートバージョンとして、郡上での滞在を試してもらうことを目的とした初日部分のみのコンパクトなプランを用意した。「プレワーケーションみたいなかたちで利用してもらえるといいのかなと。どのプランにしようか迷っているひとは、来てもらえば、どこにいけばいいのか、誰とあえばいいのかをおすすめすることができるので。これから出会うひとのことを事前に知ると、その後の出逢いの質が大きく変わるから、オリエンテーション的なイベントとして使ってもらえたら」。
Theme
消費する旅から、育てる旅へ
はたらき方もくらし方も大きく変化する時代の中で、旅のしかたも変わっていくことでしょう。どうせ変わるのならば、これまでのような短期間に長距離移動で観光地を巡るような消費型の旅ではなく、【訪れる人】と【暮らす人】が一緒に作り上げていけるような、学びにあふれた旅のしかたを提案したい。郡上の人たちとの出会いと学び、そして新しい人生のスタートを振り出すきっかけになるような、そんな必然的な出会いにあふれる旅の入り口となるプランです。
滞在イメージ
滞在プランごとに体験していただきたい「いのちのゆらぎ」を設定し、スケジュールに落とし込みました。
滞在される方の状況や季節、希望などにも左右されるので、あくまで一例となりますが、
具体的な過ごし方のイメージをお伝えします。
プラン情報
滞在日数
1泊2日
金 額
9,000円-
提供時期
通年
含まれるもの
宿泊(個室)、食事(夕)、夜坐
注意事項
・人との交流があるときとないときがあります
・人との出会いを楽しめる方におすすめします
・身体浄化は天候や季節によって変わります
重点をおく心得
「神経を覚醒させるあそびをする」こと。
「汗をかき、よく眠り、食べすぎない」こと。
「予想外と予定外こそ楽しむ」こと。
「スマホを置く」こと。
「水に触れる」こと。
「天気や、山や川にあわせて過ごす」こと。
「孤独になる」こと。
「土地のひとに話しかける」こと。
「心の声に耳を傾ける」こと。
「一度は川や山にどっぷり入り、土地の起伏感を身体に刻みこんで帰る」こと。
こり固まったら、またこいよ。
プラン提案者
木村 聖子(きむら・せいこ)
青森県六ケ所村生まれ。日本や海外で住み込みやハウスシェアなど、様々なくらし方、働き方を経験して、東京、イギリス、沖縄を経て2010年より郡上市に移住。2014年に郡上八幡でゲストハウスまちやどを開業。都会と地方、家族の枠を超えて、それぞれが生きたい場所、暮らしたい場所で自分らしく生きられる社会を目指して日々活動中。
宿について
タテマチノイエ
電話不可
郡上八幡にある、食堂とシェアハウスを兼ねた小さなお宿。郡上の真ん中に位置するこの場所から、あなたの旅と郡上スゴロクが始まります。タテマチノイエからご縁がつながる人たちと「くらし」をシェアしてみませんか?
【設備】wifi(休日日中/95Mbps)、コンセント、お茶・コーヒー、個室ワークスペース(料金別、会議等での会話も可能)
【清流info】 乙姫川まで徒歩1分